「好きだったの?」 さりげない彼の口調に彼女も実にそっけなく相槌を打った。 「今でも好きよ。」 「告白しないの?」 「しないわよ。」 「なんで?」 「好きだからよ。」 彼がふいと彼女の方に顔を向けた。 彼女は長い髪を顔にかからせて両手は前でさりげなく指を組んでいた。 「怒れば?」 冷めた目で言う彼女から目をそらして彼は深く息をついた。 「あんまり君が上手いこと言うからそんな気失せたよ。」 「そう。」 彼女の指先は光沢のあるエナメルが鈍く光って女性らしかった。