ふわりとひろがったタオルをしぼろうとした私をタオルは簡単に裏切る。
川に支配されるのはとても気持ち良いと思う。
水の音はまるで音ではないみたいに橋の上へ来るから、それは風に似たものではないのかしら。
そう目で水を追っていけば、本物の風が滑らかに吹きつけて髪を浮かべた。
地上の上を流れる水よ。
どうかそのまま海まで辿り着けますように。
私が今川に落とした涙も、海まで一緒に遊びに行くことが出来るかしら。
それはなんとも愉快な考えだった。
私は笑った。
たったひとりで。



鈴の鳴る場所呟きの歌 (C)isuzu since2001