どうしても どうしても 伝えたいこと
どうしても どうしても 伝えたいこと
わたしは ほんとうは鯉のメス
滝を昇れず死にました
竜に成れずに死にました
(15:15 2009/01/05)
ジンジャーエールのプールにカエル
おぼれて目をむき死にました。
(15:39 2009/01/06)
母はけして聡明な女性ではなかったが、少なくとも姿形は凛として美しかった。
台所は彼女の投げ捨てる見えない塵で埋まっていた―この塵は目でも喉でもなく耳から入り込んで免疫力を低下させる類のものであった。
容姿以外は父に似たと誰からも言われた幼メリマルにとって母の吐き捨てる言葉は遠まわし遠まわしではあったにせよ自身への攻撃であった。
動きがのろくてはいけない釣銭を間違えてはならない曖昧な情味でつけを許してばかりでは店をたたみ路傍に放り出されることに、ああだからお前はあんな人を見習ってはいけないよ。私はいつも苦労させられているんだあの人の尻拭いばかりあれはどこにいるんだい昼時だって言うのにまだ仕入れから戻ってきやしないどうせどこかでつまらない年寄りの話に付き合って断りきれないんだろうさ情けないこと。
(14:33 2009/01/08)
夕焼け色した小石をいつかゼリーみたいに噛み砕く。
(16:41 2009/01/08)
5時15分沈んだ暗い茜に冬至の過ぎたをいまさらに悟り。
寒さは増していくものの後ろの髪を引かれては、季節の足音が2月の背中をついてくる。
(9:46 2009/01/29)
夕張メロンを小麦に練りこみ袋詰め。
彼らも土に根を張る頃にはここまで来るとは予想もしていなかったろうに。
果肉たちは東北の端に船か飛行機か、重量トラックで旅してきたのかもしれない。
(10:31 2009/01/29)
肌の下では血脈凍って体積増えたら鳥肌立った。
(16:12 2009/02/05)
夕暮れや、南瓜に小豆、あたたかな夢。
(16:38 2009/02/05)
生きていくことに疲れました。
などといえばあなたは躍起になって私に人生の素晴らしさを説くのでしょうが、
残念ながらそのくらいのことは私にも分かつている。
ただ社会の中に社会のルールを守って人として認められることに疲れた。
そう、申し上げているのです。
(13:34 2009/03/27)
目の上と下に少しだけボンドが付いてくっついたり離れたり。
木工用です。
(14:00 2009/08/19)
夏もいつしか背中のうしろ。
すすきの穂だけがげんきです。
(14:01 2009/08/19)
すべての人が明日へ行くことはできない。
(15:34 2009/08/26)
眠って起きるだけのことも誰かに合わせねばならない。
狩猟に行くわけでもあるまいに、好きに寝かせてほしいものだ。
(日時不明)
山のふもとにも私の足は届かず、コンクリイトの上で足の指から腐っていきます。
(13:33 2009/10/01)
置いてけぼりのわたくしは、夕焼けにも追いつけないので、
朝日に負けぬようがんばったのですけれど、朝の御日様にすら徒競走で抜かれてしまったのです。
誰も彼もに置いてけぼりにされるのは、みじめですね。
(14:39 2009/10/16)
しにたいみどりのやみのやみ
なにもいわないで。
(14:46 2009/10/23)
あなたはわたくしをずつと護ると云つてくださいます。
けれどいつしか、わたくしは死ぬ。
あなたが護ろうが護るまいが、きつと変わらず死ぬのです。
その後のことを考えると、胸がいたむ。
(11:03 2009/11/18)
日々が過ぎるたびに母の細さしか思い出せないのです。
もう残っていない、さまざまな、些末事は。
(11:31 2009/11/19)
世の中に追いついていくことが果たして本当に必要なのかはわからない。
異端だと除外されることを恐れていることはなはだしいのは、どうしてだろうと思うのです。
きっと社会の中では誰も私を守ってはくれないからなのでしょう。
私にとっては親戚だって常識を測られる一つの社会になっています。 (11:33 2009/11/19)
遠出した先で遠吠えを聴く。
(13:54 2009/12/24)