「カムパネルラ」


僕には
ブルカニロ博士は現れない
ジョバンニの帰る家を
川を
(ザネリは助かったろうか)
とうさん かあさんを
あの星々を見上げた丘を
もう訪れることもない

「 ぼくたちいっしょにいこうねえ 」

ガラスの星々が流れる窓にぼくの顔がうつった
ジョバンニの顔もうつっている
どこまでも きみはいけると思うと
たまらなくきみが好きになった
ぼくはいっしょにはいけない
けれども 美しいものを よいことを ぼくはしました 目にしました
かみさまはゆるしてくださるだろうか
おっかさんに申し訳なくとも
ぼくはジョバンニに申し訳ないとは思わないのです


For
宮沢賢治と『銀河鉄道の夜』






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