『あっちいけよ。』

「あんたに命令する権利なんてないもーん」

『もーん、じゃねえよ。若者言葉使うな似合わな…ギャー割るな乱暴者!』

「わ・か・い・で・しょ!まだお姉さんに入るか入らないかくらいです、私は!」

『ハッ』

「…なによ今の」

『なんでもないもーん』

「ああ!すっごいむかつく、あんた。鏡のくせにほんっと生意気だわ」

『鏡差別だ。いけないんだ。ああおいら傷ついた。損害賠償を要求したい』

「そんなくっだらないこといつの間に覚えたのよ…。ずうっと遠くの国の変な制度じゃないのそれは。」

『変じゃねえさ。合理的じゃね?』

「ごうりてき?」

『お前、自分で美人とか綺麗とか聞いてる暇あったらちったー勉強したら?才色兼備って言葉使いたいだろ?』

「うるさいなあ。って、その前にあんたはいつ勉強してるのよ!動けないじゃん。ここ壁でしょ。他に喋る人もいないのに、なんでそんな変なこと知ってるの?そっちの方がずっと変!」

『あー…それさ、おいらにも分からんのさ。いやさ、最近夢がさ』

「夢?」

『夢の中で、図書室を歩き回っておいらずっと本読んでるんだ』

「どういうこと?」

『こっちが聞きたいね。おまえまた変な魔法無意識に使ったんじゃねえの?』

「使えるはず、ないわ。本当にもう全然使えないんだから」

『そう思い込んでるだけかもよ』

「なによばか!」

『うわ。なんで急にどなるんだよ』

「あんたが勝手に進化して変なこと覚えて、ああもう最近訳わかんないことばっかりなんだから!そういうの全部全部、全部あんたから起きてる!もうなんなの、あんた!鏡のくせに、私が魔法使えなくなっちゃったのになんであんたばっかりさあ!だいたい鏡が夢なんか見てるんじゃないわよ鏡のくせにっ!」

『泣くなって。人のせいにするなって』

「命令しないで、鏡のくせに!!それに泣いてない!」

『あー今泣いた。泣き虫』

「うるさいなぁもう!あんたなんか大ッ嫌い!」

『おい、部屋戻るんならあったかくしとけよ、寒いから』

「命令しないで!」

『別に命令じゃねえって…ああ行っちまった。聞けよ!』

「うるさい!」

『…心配してるだけだって』
遠くに消えたご主人様に聞こえるべくもない呟き。

---------------
鈴の鳴る場所呟きの歌 (C)isuzu since2001