男性は下半身のとりこです。
と、彼女は自信満々に言った。

オンナだって似たようなもんじゃあないか、髪や化粧に命をかけて、男に見初めてもらいたがる。
そんなのは必要以上に男女同権を叫びたてる、愚かなオンナのたわごとだよ。
と僕は言った。

私は悪口を言っているんじゃあないのよ、と彼女はホットミルクに蜂蜜を溶かして真鍮のスプーンでかきまぜた。
いい匂いがする。
テラス奧の林では枯葉が、かさこ、そ、かさこそ、と、おしくらまんじゅうされている。

女は下半身ではなく子孫のとりこなのだもの。男性の方がよっぽど自由で羨ましいわ。

真鍮のスプーンが生白い液体をぽとりとテーブルクロスにこぼしているのを眺める。
彼女は何を言っているのだろう。


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