※26章(The Church Of The Children Of Eden)~34章(Unfinished)までネタバレです。
35章以降はネタバレありません。
例によってもうちょっと読めそうではあるんですが、切りがいいのでとりあえず区切ります。
感想書いていたら寝る時間になってしまいそうですしね。
26章
キャンディの夢とマリンゴ側の様子が交互に描かれるのがなんだか珍しい感じ。
面白い構成だなぁ。
眠ったまま起きることを拒否するキャンディに困り果てていたマリンゴに、下働きのゲシュラットGambat君が「ファンです!」とキラキラと眼を輝かせて融通をきかせてくれました。
しかもサインを求められたので私もマリンゴと一緒にびびりました(笑)。
微妙に話がねじ曲がってるし!<悪い魔法使いからキャンディを救いだした英雄
でもまあ。
1巻でキャスパーの言っていた「ゲシュラット」という種族の位置付けを思えば、どうして「ゲシュラット内でのマリンゴの立場」というところについて描写が出てこないんだろう?と確かに気にはなってました。
実際、3巻を読んでいてもすごく気になっていたことがあるのです。
マリンゴを「Malingo」という名前で呼んでくれる人は本当に少ないですよね。
Lagunaさん達と言い、2巻のフィネガンといい、ボア王女と言い…キャンディやジョン兄弟達以外は常に彼を "Geshrat" としか呼んでくれないのです。
……やっぱり、それってそういうことなんですよね。
ブリムつけたメイドさんがどこに行っても『そこのメイド、これをどう思う?』と聞かれるようなものですよね(?)。
それにようやくマリンゴが思い至ったということは、つまり、キャンディと一緒にいる間は「卑賤な身分の種族」だということを意識しないで過ごせていたということなんだろうなあ。
マリンゴにとってキャンディという少女が本当に特別なんだということが分かります。
しかし、一人でキャンディの傍にいると不安だから誰かと相談したい、と悩むマリンゴが『ただしジョン兄弟以外で。うるさいから』とハブッているのが地味にツボる…。
いや、うるさいけどミスチーフさんとかドラウズさんとか、あれでも結構紳士だからね?
きっと大丈夫!
うるさいけど!
27章
モトリー婆さんはホント怖ろしい人やで……。
しかし、あの超絶魔法使い婆さんのモトリーさんでも、ボア王女の魂が生きていたということに気付いていなかったのか。
むしろそっちにびっくりです。
しかも放置して行っちゃうのか。
いいの?だ、大丈夫なの?
あのボア王女だよ?
ところでMaratienたん可愛い。
28章
わああああみんな来たあああッ!!
嬉しい!久しぶり!!
しかもキャンディ以外で「Malingo」と呼んでくれたのが久しぶり過ぎて嬉しいのでミスチーフさんにチュッチュしたい(きもい)。
トムは相変わらずいい人だし、ジェネヴァさんも格好良いなあ……。
みんながキャンディを大切に思ってくれているのが嬉しいです。
キャンディがボア王女と分離した後でも、自然に変わらず仲間でいてくれてるのがとても幸せ。
こうして勢ぞろいするとキャンディの対応にそれぞれの性格が出ていて楽しいですね。
ところでフィネガンさんはどうしたんだい。
ボア王女に丸め込まれてでもいるのかい。
チキンタウンの方は、なんかもう、どんどん後戻りのできないことに……。
先生もかよ……!
落胆が抑えきれないでござる。
もうこれじゃ本当にキャンディ、チキンタウンに遊びに帰ることも出来ないじゃんかー。
いくら好きじゃなくても、実家なくなったらやっぱり辛いじゃないか。
この父がッ!!
29章
メイター・モトリー婆さんがあっさりとサックブルードを解放。
あ、あれ……?
口が三つのヴォルさんの存在意義……は……。
モトリー婆さんはキャリオンと一緒にピラミッド開けたかったのか。
この場においてまでささやかな未練を表すのが不思議で、けして愛とは呼べないけれど何かしら執着のようなものを感じました。
ちょっと意外な感じですね。
それにしても219Pの絵が超怖い。
30章、31章
お兄ちゃん!
お兄ちゃん! お兄ちゃぁあん!!
という気持ちでいっぱいです!
Ricky良くやった良く言ってくれました、それでこそお兄ちゃんです!
絶体絶命で本当どうしようかとハラハラしていたところに、意外なところから助けが入ってくれて、いすずさんもう大歓喜。
そしてその好機を逃さず捕らえているSiltersをブッチリ噛み切って抗うキャンディがいつもながら即断即決で格好良いです。
前にも書いた気がするのですが、キャンディは抗ったり怒ったりしている時こそ輝きますね。
なんというヒーロー力……!
父はもう駄目なのかなあ。
ベストを焼き捨てるとかじゃ解決にならないんだろうか。
32章
ごめんちょっと萌え過ぎて死にそうなので深呼吸してくる!
この章、電車の中で読んでいたのですが、もうニヤニヤが押さえきれなくて窓の外を見て(ああ日が沈む、美しい冬の夕暮れ前…ふふっ)とか必死で気を逸らしながらニヤニヤしていました。
……いろいろと手遅れですね。
32章はなんといっても、キャンディの経験が一気に彼女の中に注ぎこまれていくシーン!
鮮やかで力強くて、「アバラットらしくて」、とてもとても美しくて好きです。
しかしその変転する記憶と経験の風景がやがて "Malingo - oh, Malingo, Malingo, Malingo -"
になり、アバラット世界では「彼女がひたすらマリンゴの名前を呼びながら笑っているのを皆が見ている」シーンが萌え過ぎて精神的に死んだ。
はわわわわ、はわわ、ははわわわわ…!!(´∀`*)
マリンゴがキャンディといて幸せ、という描写は多いんですが、キャンディがマリンゴといて楽しくて嬉しいとはっきり描かれるシーンは少ないので余計に嬉しいです!
し、しかもしかもそのあと、キャンディが父親相手に「私はあなたの娘なんかじゃない!私のこと何も知らないじゃない!知ろうともしなかったし、これからもその気がないのよ!私は、アバラットの人間なの」(意訳)と怒鳴った後がやばい。
これまで皆がキャンディを起こそう危ないよと言っている傍で、ひたすら静かに「キャンディを信じて待とう」と不安を隠しながら隣にいたマリンゴが、
"I belong - to the Abarat. "
というキャンディの台詞を聞いて、
"That's my girl, " Malingo said softly.
というのがAbsolute Midnight並みにヤバい。
私にとって。
おおおおおおおおいいいいいいぃぃぃ!!
何それ!
That's my girl がヤバいのは当然として softly もヤバい。
萌える。超萌える。
何それ、何それ!!!!(三十回転ロールして壁に激突)
というか、このキャンディが夢に囚われる一連の章って、ジョン達仲間から見ると
(1) キャンディがうなされているところに訪れて「彼女に何か起こっている、心配だから起こそう」と提案するとマリンゴが「いや、起こさないでおいてくれ。彼女を信じて待とう」と言う。
(2) 待っていたら急にキャンディが「マリンゴ!マリンゴ!…」とマリンゴの名を連呼して幸せそうに笑いだした。
(3) またうなされた後に、"I belong to the Abarat." と呟く彼女にマリンゴが 「それでこそ俺のキャンディだ」と優しく静かに答える。
……という流れなんですよね。
なんだろう。
こうして書いてみると、とってもシリアスだったのになんかこう、いちゃいちゃしているのを見せつけられたような感覚がするのはなぜだろうか……。
素晴らしいです。
もっとやってください。
33章、34章
愛などないと彼は言った。
愛など苦痛なだけ、愛という概念を滅ぼすために蘇ったのだと彼は言った。
うん、まあ、うん。
蘇った時はいろいろね。
頭が混乱していたんだと思うよ。
今回のキャリオンさん。
早っ!
愛に胸を痛めだすの早ッ!!
キャリオンさんマジ悪い男に騙されてる女子高生。
「だからあいつとは別れたの!ほんと騙された。サイアク。恋とか、もうホントうざいし。意味なくない?流行りの歌とかみんな恋のことばっか歌っちゃってさ、馬鹿じゃね?はァ?元彼?そんな人のことなんかもう忘れたし~」
↓
それでもLOVE涙色、メルアドが消せないの。
ある日、元彼の双子の兄弟に会って勘違い、思わず変装して話しかけちゃう
↓
「ねぇ、あたしよ。……その、もう一回あんたに会いたくてさ」
「悪ぃけど俺、あいつじゃないぜ。お前さ…あいつが悪い奴だって知ってるだろ。騙されてたんだろ?」
↓
「騙されてることくらい知ってた!でも、でも好きなんだもん!あいつがいないと、あたし、生きていけないのっ!」
こんな感じ。
もう、まんま悪い男に引っ掛かってる女子高生。
キャリオンさん!キャリオンさんちょろいよ!
改めて33章。
キャンディがマリンゴを見つけて、マリンゴ(仮)が "Love and Death" とか言い始めた時点で (これどう考えてもキャリオンさんじゃん……愛を否定すると豪語してた真夜中の復活王やん……また変装してんの…) と口元が笑いにひきつるのを押さえきれないんですが、その時はまだボア王女に復讐するものだとばかり思ってた。
キャンディを殺しに来たんだとばかり思っていた。
3巻では、マリンゴが目を離すたびにキャンディが決まって危険な目に合ってるし、マリンゴ!いい加減にLadyから目を話すのをやめようよ!とハラハラしてた。
ええ。
いすずさんは、キャリオン卿の愛をなめていたのです。
反省するべきは私自身だったんです。
ちゃんとキャリオンさんのことを信じてあげなくちゃあいけなかったんだね……。
キャリオンさんは悪夢が大好物だけど、心の中にはたっぷりの優しさが詰まってる王様だったんだ。
というわけで、続く34章の冒頭で「そんな風に私を見ないでくれ、姫」とか「君の存在をもう一度だけ少しだけでも確かめたくて…」とか言いだした王様に、いすずさんの心のつっこみ軍団が総立ち。
愛 の 虜 じ ゃ ん ! !
しかも親身に「君の大切な人を連れていますぐチキンタウンに逃げるんだ」とかすっごく優しい助言をしてくれてるよ。
この先起こることもとっても丁寧にキャンディに説明してくれてるよ。
ボア王女と混同したりもしないし、「君が生まれる前のことだ」とかちゃんと割り切ってるよ。
あれー。
あれーおかしいなー。
キャリオンさん、復活の時はあんなに禍々しかったじゃない?
He was reborn to be love's enemy. To destroy it, utterly.
って182Pにも書いてあるのを確認したよ。
愛なんて胸糞が悪い、愛は毒だ、苦痛だ、とか言ってたじゃないか……。
キャリオンさんてばホント恋の道化師なんだから……。
まぁそのあたりはともかくも、キャンディとキャリオンの会話はとても好きです。
キャンディの言った通り奇妙な友情が二人の間に築かれていて、そこには相手に対する一種の尊敬すら含まれている。
この新たな関係が、暗闇に光明をもたらしてくれそうな予感。
それにしてもシェイプさんをピラミッドに蹴落として放置していたキャリオンさんが、こんな警告をしてくれるなんて不思議極まりないよ。
本当はキャリオンさん、Absolute Midnightなんて求めていなかったということなのだろうか。
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というわけで、次回からはタイトル通りのAbsolute Midnightの到来とその対策編になるのかな。
ドキドキしながら続きを読みます!
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↓おまけ。キャンディさんの恋愛相談室
このあたり、マリンゴがフラグ立てている気がして心配している。<愛した人を失う
杞憂でありますように…。