当たりくじの実在照明
手を伸ばして物干し竿を動かすと、反射が眩く右目を射た。
一人暮らしを始めて三か月、まだまだ慣れないことが多い。
はためくブラウスの群れをそれでも満足げに見つめ、網戸だけにして室内へ。
日よけ代わりの洗濯物のせいで、干す前より薄暗い。
それでも一人暮らしにはぜいたくだと同期に羨まれた2LDKは広い採光窓のおかげで日曜の夏色に包まれている。
ダイニングカウンタに置きっぱなしだった携帯を手に取り、通知を確認すると元彼から結婚報告が届いていた。
結婚したんだ。という驚きがまず最初にきて、続けてやや呆れる。
――ということは、こーちゃんは結局私を振った原因であるところの苦い失恋を今になっても引きずっていて、しかも修復してしまったというわけだ。
シュシュでゆるくまとめた髪をいじり、ソファに深く腰掛ける。
それでもうまくいくんだろうか。
死が二人を分かつまで幸せに、なんて願ってあげたい気持ちにはならないけれど、この世にそんな恋愛が存在しているということを間近で証明してくれる人がいるのは、きっと幸福な当たりくじのようなものだろう。
返信用の文面を考えながら、陽だまりのフローリングを踏みしめる六月。
私は今日もなんとか元気だ。