2/Night Play House(2)
それでも知らん顔をしてくれるのがありがたいといえばありがたいし、余計なお世話だとも思った。
まあティッシュを押しやってくれて助かったのだけれど。
……ああ格好悪い。
涙を拭って鼻をかむ。
エンディングが終わり来クールからの予告編が始まった。
「珍しいな。志野が感動してるの」
別に知らん顔をしていたわけではなかったらしい。
単に歌に聴き入っていただけらしかった。
いつものように余裕な声がからかいを含んでいるのでむっとする。
「うるさい、辰さん」
「はいはい」
「……笑ってるでしょう」
これでは私が無感動な人みたいではないか。
なんて不本意な扱いだろう。
私は幼馴染の肘を小突いた。
頭を叩かれたのでそれを押しやる。
それから辰さんがリモコンでチャンネルを替えて私はコップを洗いに台所に行った。
先程開け放した流し上の窓から、初夏の夜風が吹いていた。
まだ眼がざらざらする。
充血していてきっとひどい顔だろう。
洗い上げて水を切り、冷蔵庫を覗くとプリンがあったので自分の分だけスプーンと一緒に取って食べた。
様子を見に来た幼馴染に発見されて、結局二人で流しで弟の分もこっそりと食べた。