「あ、かっこいい」
テレビを見ていたら好きな俳優が出てきたので思わず呟く。
隣にいた人が、私を横目でちらと見た。
「志野は、ああいうのが好きなのか」
「何、知らなかったの先輩」
ソファに寝転がっていた弟が身体を起こす。
「好みはああいうのらしいよ」
「へえ」
「そうなんだよ」
「意外だね」
「うるさいなあ。別にそこまで入れ込んでるわけじゃないよ」
外野を黙らせて、私は新聞のテレビ欄を見た。
次の時間帯からやる映画に出ている。
録画しようと記録媒体を一枚取り出し、タイマーをセットした。
その一連の作業をじっと観察して、辰さんはふうん、と溜息をついた。
「志野にしては充分入れ込んでるじゃないか」
「そんなことない」
録画モードを標準に合わせて、私は首尾よく予約を完了した。
しんさんとしの
(007 :日常風景)
(007 :日常風景)