じいっと見られているのでうちわで扇いであげた。
辰さんが満足そうに目を細める。
「ありがとう」
「廊下の物置にまだ残ってるから持ってくれば?」
また自分を扇ぎ出して、梅雨明け宣言のされた外を見る。
今年の異常気象には庭の緑すらも元気をなくしたようだった。
夕方になれば風が出て少しは涼しくなるのだろうけれど。
本当は、試験勉強をしなければならないのだけれど。
ちらりとその「試験勉強」をしっかりとやっている幼馴染に視線を移して、もう一度扇いであげた。
辰さんが嬉しそうにありがとう。と呟いてノートに落した目を私に向けて余裕げに笑った。
しんさんとしの
(032 :うちわ)
(032 :うちわ)