「……あー。冬だね」
「何当たり前のこと言ってるの」
携帯コンロにスイッチを入れてキッチンから持ってきた鍋を火にかける。
白菜を準備して薄肉を菜箸で揃えた。
炬燵でぬくぬく待っていた辰さんはやれやれという手つきでそれを受け取り、火の見張り役を引き受けてくれた。
「お母さんも今日は間に合うみたいだから、まだ入れないで。煮立っちゃったら止めといて」
残りのおかずの準備に戻ろうと、名残惜しい炬燵から私は立った。
「あと志郎呼んでおいて」
「火の番してるのに」
「うるさいなあ。手伝わないんだからそれ位してよ」
「はいはい」
辰さんは笑う。
私は冬なので閉め切った襖をまた開けて、寒い廊下を靴下で踏んだ。
玄関のむこうに気配がして、お母さんが帰ってきた。
しんさんとしの
(003 :白菜鍋)
(003 :白菜鍋)