かなり昔の名作劇場(?)の夏休み再放送を頬杖をついて見ている辰さんが、蕨餅が空になった皿に楊枝を投げ入れて私を見た。
「何」
「そういえば志野は、幼馴染と言えるんだねえ」
「は?」
皿を片付けようと自分側に引き寄せた手を止め、彼を見つめる。
「そうだと私は思ってたけど。」
「うん」
「別にだからどうってわけでもないじゃない」
「まあね」
よく分からない。
辰さんは、CMを挟んだテレビ画面をちらりと見て、また私に視線を戻した。
「志野は私に、お節介焼かないね」
「なんで私が辰さんの世話しなきゃならないの?」
そもそも辰さんはしっかりしすぎて私は出そうと思ったって手を出す場所もない。
むしろそんな面倒くさいことをする性格では私がそもそもない。
辰さんは少し残念そうに溜息をついて、アイキャッチとともに再開した番組をまた眺め始めた。
「……現実はこんなものだね」
「それは悪うございましたね……」
でも、うちに毎日のように来るという点で、この人は割りとステレオタイプに近いのではないかと思う。
普通は、こんな風に相手の家でくつろがないし会話もしないと思うのだけれども。
まあそんなことは本当に、どうでもいいことだ。
しんさんとしの
(005 :「幼馴染」)
(005 :「幼馴染」)